ブランドに興味・関心の高いユーザーとの新しいエンゲージメントプラットフォームとして、動画コマースが脚光を浴びている。メディア事業のキャンディ(東京、古岸和樹社長兼CEO=最高経営責任者)も動画コマースで注目企業の一つ。今年6月から動画番組「ライブショップ!」を開始し、視聴者とリアルタイムでの双方向コミュニケーションで「情報への参加と共感」を呼び、限定商品完売につなげている。「動画視聴=エンゲージメント」として、ブランドのLTV(顧客生涯価値)指標としての活用を目指す。
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「LTVこそがこれからのブランディングに重要な指標。視聴者の参加意欲や共感を可視化できるライブ動画は、ECプラットフォームに取って代わる存在になる」(鍛治良紀執行役員シニアバイスプレジデント)とみる。同社は15年2月設立。デジタル動画メディア事業、タレントマネジメント、広告マーケティングを行い、今夏にライブショップ!を立ち上げた。
ライブショップ!は、ネットの特性を生かし、生放送中に発信側と視聴者の双方向コミュニケーション、ゲーミフィケーションを活発に行うことができ、視聴者の反応や返信からユーザーの好み・ニーズなどの情報を直接収集できる。特に予約販売と親和性が高く、商品生産数をコントロールできる。
これまでの実績をみると、番組視聴数は多いもので約3000、最高は1万5000。この数値は武道館を満員にしてライブを行っているレベルという。商品販売ではブランドと組んで限定数量販売を行う。ブランドや商品に強く共感して注文した客限定となるため、次回への期待も高まる。
18年1月からはPB「トランクエイティーエイト」(TRUNC88)でも活用する。PBではライブ番組を駆使して、少量受注生産型「ダイレクト・ツー・コンシューマー」を実現する。商品企画では約23万人のフォロワーを持つインスタグラマーの佐野真依子さんをクリエイティブディレクターに迎え、ライフスタイル全般で商品展開する。
動画コマース企業では、Cチャンネル、ショールームなどが存在するが、「各社でポジションが異なり、いずれとも競合していないと考えている。むしろ動画コマースを新しいプラットフォームとして盛り上げるために、様々な企業やブランドに活用してもらいたい」(鍛治執行役員シニアバイスプレジデント)とする。
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キャンディ 動画コマース強化へ資金調達 メディア事業のキャンディ(東京、古岸和樹社長兼CEO=最高経営責任者)は12日、第三者割当増資により24億5000万円の資金調達を実施した。ネット配信動画を軸としたコミュニケーションプラットフォーム、コマース事業強化が目的。コンテンツ拡充、ライブパフォーマーの発掘・育成、各部門の人材採用を行う。社外取締役にリードインベスターのエイトローズベンチャーズジャパンの深澤優壽氏が就任した。