私が初めて米国に駐在した80年代後半に出会ったのがデイビッド・ボトウィニック氏です。彼は小さな会計事務所の新人会計士で、同年代ということもあり、大変親しくなりました。互いに「ビッグになる」という夢を共有し、ビジネス社会で一緒に成長した同志であり、親友です。
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日本が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と評されていた頃、彼の娘さんの高校で日本についてレクチャーしたことや、互いの子供たちについて語り合ったことは楽しい思い出です。仕事面では、M&A(企業の合併・買収)のために一緒にボストンに行き、買収監査したことが一番の思い出。当時、米国人は算数に弱いなどの偏見がありましたが、彼は10桁の数字を大きい位から暗算し、力量を見せつけられました。その後、彼は有力会計事務所の経営に名を連ね、「50歳代で引退し悠々自適に暮らす」ことを有言実行しましたが、今でも何かにつけて連絡してきます。
今回取り上げた友人たちとは駐在生活を通じて出会いましたが、仕事以外でも様々なことを相談できる仲です。これら多くの出会いが私を国籍や宗教、人種に対して偏見を持たず、人とすぐに打ち解けることができる人間に変えてくれました。こうした変化が商社マンとして、一人の人間としての幅を広げ、私の人生に彩りを与え、豊かなものにしてくれています。
(GSIクレオス社長 吉永直明)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。