私は米国駐在を3回経験していますが、2回目の赴任時に出会った友人の1人が、韓国人のヤング・アン氏です。
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当時家族で住んでいた家は何棟かの家が隣り合ったコミュニティーの中にあり、一軒隔てた隣に越してきたのがアンさん一家でした。最初は妻同士が仲良くなり、自然と子供たちを含めた家族ぐるみの付き合いになりました。
彼らはとても聡明で、アンさんは北朝鮮核問題を協議した「六カ国協議」に韓国代表として出席した外交官であり、奥様のスー・キムさんは大学教授でした。さらに米国に遊びにきていたアンさんのお母さんは日本語がとても上手で、私の息子たちに日本語を教えてくれたり、また驚くことに私が愛読していた塩野七生の『ローマ人の物語』を日本語で読んでいたため、本の内容について語り合ったこともありました。
アンさん一家が英国赴任で引っ越した後も、ソウルのご自宅含め、彼らの赴任先の英国やシンガポールなどでも時間をともにし、政治や経済、歴史について語り合ったことが懐かしく思い出されます。コロナ禍もあり、しばらくお会いできていないので再会の日を楽しみにしています。
2000年代初頭の日本と韓国は、非常に難しい関係にありましたが、友情に国の利害は関係ないことを心から学ぶことができた友人です。
(GSIクレオス社長 吉永直明)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。