【軌跡】《7日間納期で攻める新生ビッグヴィジョン㊤》服地卸がオーダースーツ事業を継承

2023/06/26 12:30 更新会員限定


 コロナ禍でスーツ離れが加速し既製スーツの売り上げが激減する半面、オーダーメイドスーツの成長性に期待する企業は多い。新規参入も増え、競合は激化している。製品在庫を持たず、顧客のパーソナルなニーズに対応しカスタマイズできるオーダースーツはサステイナブル(持続可能)で未来形のビジネスモデルとしても注目される。コロナ後にはオーダースーツ専門店のビッグヴィジョン(東京)は、7日間納期を武器に既製スーツ市場を含め新たな客層の開拓に成功している。そもそも、ビッグヴィジョンは2011年に服地卸の吉村が前事業主(旧・山村商事)からグループの生産会社を含めて買収し、現在の形態に発展させ、事業を継続。東日本大震災で消費マインドが冷え込む中からのスタートとなったが、1999年に新規事業としてオーダースーツのインターネット販売に着手し、地道にファンを増やしてきた吉村にとって、オーダースーツのリアルの販売網と生産背景を手に入れたことは大きな転機となった。

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祖業が羅紗屋の吉村

 吉村は明治17年(1884年)に大阪・谷町に創業した羅紗(らしゃ)屋(紳士服地の切り売りの卸商)だった。物がなく、服地があれば売れた時代。現社長の吉村雅隆の祖父である創業者は高額納税者に名を連ねるほどだった。

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