23年の越境EC消費は「世界総オタク化」し、ファッションでは「Y2K」がキーワードになった。越境ECサービスを提供するビーノスが越境ECの消費動向を発表。支援実績5000件以上の購買データから、キーワードやランキングでまとめた。
カテゴリー別の購入件数は1位「おもちゃ・ホビー・グッズ」、2位「音楽」、3位「ファッション」、購入件数の伸長率は1位「タレントグッズ」、2位「おもちゃ・ホビー・グッズ」、3位「ファッション」という結果となった。
これまでホビーやタレントグッズは30代の男性ユーザーの購入が顕著だったが、「全世界的に若年層や女性ユーザーが増え、『世界総オタク化』している」。Z世代はSNSなどを通じて日本のカルチャーやコンテンツ、商品を最新・過去を問わず参照し、ボーダーレスに購入する「タイムマシン傾向」もみられる。
ファッションカテゴリーでは商品名に「90年代」「00年代」などを含む商品の購入件数が、23年1~9月は前年同期比1.5倍に伸びた。人気ブランドと伸長率ブランドランキングでも90年から00年代に流行したブランドが上位となった。「ヒステリックグラマー」「ア・ベイシング・エイプ」などの国内ブランドのほか、「ラルフローレン」「バーバリー」が伸びている。
同社は海外向け購入サポートサービス「バイイー」を提供しており、23年7~9月の流通総額は前年同期比42.4%増と過去最高を継続更新。コロナ禍や円安を追い風に拡大した越境EC市場は「新たなフェーズに突入した」という。
24年は越境ECユーザーが定着するだけでなく、コロナ禍で断ち切られたインバウンド(訪日外国人)の取り込みに再挑戦し、「旅アト消費」につなげるための越境EC活用が見込まれる。越境ECは世界で拡大しているため「物流競争が激しくなるなか、オールジャパンとして海外勢に対抗する仕組みを構築するなど、包括的にサポートしていきたい」考えだ。