ベイクルーズは2月29日、虎ノ門ヒルズステーションタワー内に新業態「セレクト・バイ・ベイクルーズ」をオープンする。社内のバイヤーや様々なジャンルのキュレーターが経験や専門知識を生かして「好きなものだけをセレクト」し、提案する店だ。売り場は2、3階合わせて約2800平方メートル。ファッションや食、アート、雑貨など、生活を豊かにするための様々な商品を販売する。
3階はアパレルを中心にアイウェア、スニーカー、ビンテージの時計やバッグの売り場がある。「ドゥーズィエムクラス」「ジャーナルスタンダード」「シティショップ」などの自社レーベルからもセレクトしている。メンズはアメカジのジャーナルスタンダードとフレンチスタイルの「エディフィス」をミックスして構成している。ここでしか買えない高単価な仕入れブランドや希少なビンテージのアイテムもある。
店内には新業態でウィメンズ向けビンテージジーンズが軸の「ザニーム」、名古屋の自転車店「サークルズ」、ユニセックスフットウェアの「ヘリンボーン」も出す。アートを展示・販売するギャラリーも設置した。
カフェもある2階には、レディスの「ミューズ・ド・ドゥーズィエムクラス」の売り場を設ける。エントランスから家をイメージした内装で、キッチンに見立てたレジやベッドルーム、クローゼットのような売り場、バスタブを置いた試着室などが特徴だ。ホットドッグスタンドを併設するスーベニアショップ「ザ・スタンド」では「ニューエラ」のキャップやお香、革小物、アーティストによる作品など、「誰かにあげたくなるギフト」を揃えている。
(相神優波)
古峯副社長に聞く 「ここにしかない」集めたセレクトの原点つくる
新業態について古峯正佳副社長に聞いた。
3年前から準備をしてきた。グループブランドを集めた「ベイクルーズストア」も運営しているが、各業態の単独店舗が都内には多くある。だったらこの場所でしかできない店、我々が本当に好きなものだけを集めたセレクト業態をやろうと考えた。
00年代から各業態で活躍してきたバイヤーを抜擢(ばってき)し、外部のスペシャリストにも頼み、商品をセレクトした。既存業態で扱う服や雑貨もあるが、仕入れブランドを含め、ここにしかない商品を集めた。
オリジナル商品は2割程度に抑えた。当社はECもずっと強化してきたが、ここにはあえてECでは売らない商品も置く。コロナ禍を経たお客様は、改めて非日常を味わえる空間で、時間をかけて買い物することを求めていると思う。
商売で言うと、初年度から2年目までは厳しいかもしれないが、5年後には年商30億円にしたい。パリやニューヨークに行ったら絶対、見ておきたい店が必ずある。セレクト・バイ・ベイクルーズもそういう店にしたい。20~30代の社員に自分たちの原点を見せたいという思いもある。
(柏木均之)