沖縄アウトレットモールあしびなー 地元の需要を捉え復調、インバウンドの戻りも期待

2023/06/29 06:27 更新


インバウンドは台湾とともにタイからの回復が進んでいるという

 沖縄アウトレットモールあしびなー(沖縄県豊見城市、運営は大和ハウスリアルティマネジメント)は、コロナ禍の影響から立ち直りつつある。インバウンド(訪日外国人)の回復をにらみつつ、県内の需要を固め、今期(24年3月期)は前期比10%増の売り上げを目指している。これまでのところ計画を上回る動向だ。

 同施設は02年の開業。那覇空港に近い沖縄県南部の埋め立て地に設けられた。現在では周辺に家具・インテリアや家電の大型店、道の駅が揃っているが、開業当初は道路開発の遅れがあり、アクセスに課題があるなど厳しかったという。しかしその後はインフラが整うとともに知名度が高まり100億円近い売り上げに達して11年に増床、店舗面積2万平方メートルに100店が揃う現在の規模になった。以降は折からのインバウンド需要の拡大に伴って売り上げを伸ばし続け、19年度には180億円に達していた。

 その後コロナ禍に見舞われ、インバウンド需要を失い、22年秋以降の復調はあったとはいえ前期でも19年度比で6割程度の売り上げだったという。ただ、免税売り上げが半分近かったところからみれば健闘しているといえる。ラグジュアリーブランドやスポーツブランドなど沖縄では他にないテナント揃えが浸透、県内からの需要に支えられている。アウトレットモールながらギフト需要などを捉えているという。この間でもラグジュアリーブランドの回復が先行している。

 沖縄では国内観光客の回復が進む一方でインバウンドについてはこの春でも19年比で4分の1程度にとどまっている。7月にはかつての消費の中心だった中国本土からの航空便が復活するなどはあるが、一気の回復は見込みにくいところ。当面は、コロナ禍で支持を確認した「地元をケアしたい」(國枝江里子支配人)とする。そのため、「カルバンクライン」や「ロゴス」を導入するなど満床のめどをつけた物販に続いて飲食のテナント揃えに力を注ぐことにしている。

 20年6月に近隣に開業した同じ大和ハウスグループの大型SC、イーアス沖縄豊崎とも連携しながら押し上げることにしている。



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