「アンリアレイジ」の新メンズブランド、アンリアレイジ・オム（森永邦彦）がデビューコレクションを見せた。テレコムセンターの円形のランウェーに登場するのは、トラディショナルをアンリアレイジ流に再解釈したスタイルだ。
ピンクのボタンをびっしりと付けたテーラードスーツ、アップリケ刺繍のスタジアムジャンパーやたくさんのエンブレムを付けたタータンチェックセットアップ。ベーシックアイテムにハンドクラフトのテクニックで彩りを添える。クレイジーパターンのようなニットパーツの切り替えも多い。ストライプニットを細かく切り替えたストール、トラディショナルなニット柄をマルチパターンで切り替えたブルゾンも登場する。
トロンプルイユのテクニックを入れたニットアイテムもユーモラスで面白い。ダッフルコートのトッグルボタンのディテールをそのまま編み柄で表現したニットコート、スカジャンの刺繍柄をジャカード編みで表現したニットブルゾン。パリのウィメンズで見せた「リーボック」のポンプフューリーのディテールを入れたアイテムはメンズでも登場している。
新たなメンズラインは、テクノロジーを背景にした実験的なウィメンズラインとは異なり、もっとポップでリアルなスタイルに収まった。手仕事を入れているため必ずしも売りやすい価格帯にはならないかもしれないが、より市場性を感じさせるリアルなイメージに仕上がった。
（小笠原拓郎、写真＝加茂ヒロユキ）
