アンドエスティHDが自社ECモールのオープン化を加速している。9月にニューバランスジャパン、10月にユナイテッドアローズの「ビューティー&ユース」が出店した。ポイント連携や金融機関との提携などで利便性を高め、流通総額拡大を図る考えだ。
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会員数2000万人強、約1500店の実店舗を持つことを強みに他社ブランドの出店を増やそうとしている。木村治社長は「少子高齢化と成熟化が進む日本では競合と手を組むことで、1社では実現できないサービスと品揃えを提供することが必要だ」と語る。
30年2月期に自社モール「アンドエスティ」の流通総額を1000億円にすることを目指す。今上期(25年3~8月)の流通総額は223億円(前期比15.5%増)。グループ外ブランドの出店は28増の37となり、流通総額に占める社外ブランドの構成比は3%から9.4%に高まった。
10月にはジュンの5ブランド、ICLの「アフタヌーンティーリビング」も出店する。各社とも若年層や女性客が多いアンドエスティの会員基盤やコーディネート投稿機能、OMO(オンラインとオフラインの融合)を担う東京・原宿の旗艦店などを活用して新規客獲得を狙う。
アンドエスティは自社ポイントとNTTドコモのdポイントに加えて9月から楽天ポイントも導入。10月末には「みんなの銀行」の支店をオープンし、12月からは自社クレジットカードも発行するなどユーザーの利便性向上も進める。