スノーピーク山井社長がアルペン社長を絶賛したワケ

2019/02/19 09:30 更新


 業界に先駆け大型のキャンプ専門店「アルペンアウトドアーズ」を開業し、多店舗化に乗り出し始めたアルペンと、「スノーピーカー」と呼ばれる熱烈なファンを全国に抱え、今のキャンプブームの火付け役となったスノーピーク。業界のフロンティアともいえる両社のトップには、今のマーケットはどう映り、市場拡大にどんな戦略で臨もうとしているか。

(聞き手・構成は杉江潤平)

団塊ジュニアが核に

――キャンプ用品市場が拡大しています。要因は。

水野 一つは高規格のオートキャンプ場が増えたことです。トイレや浴室などが清潔で、キャンプ初心者が始めやすい、設備が整った施設が目立ってきました。二つ目はSNSの普及・発達によって、こだわりのサイトやファッション、料理を簡単にアップできるようになったこと。三つ目は、グランピングやフェスといった若い世代でも気軽にキャンプに触れるアクティビティーが増えたことなどが挙げられると思います。

山井 80年代以降から現在までをレビューすると、まず80年代後半から90年代中盤にかけて、1度目のブームが起こります。参加人口は団塊世代を中心に、1500万から2000万人と言われました。それまでのアウトドア業界は登山を中心に動いていましたので、その時に初めてキャンプの波が来たのです。

 その後、ブームが去るような形で参加人口は減り、(00年代後半には)700万人ほどになります。しかし、第1次ブームで子供時代にキャンプを体験した団塊ジュニア世代が親となると、自分の親と同様に子ども連れでキャンプを始めるようになり、10年前後から人口は再び増え始め、今に至っています。

キャンプ市場の今後について語り合う水野アルペン社長(左)と山井スノーピーク社長

全人口比20%へ

――今回のブームは前回とどう違いますか。

山井 今回の波は時代背景が変わった中で起きているもので、前回とは質的に異なり、その成長に「着実さ」があります。文明が高度化し、大人も子供もデジタル機器に囲まれた環境で生活していると、リアルな体験で人間性を回復できるキャンプの価値が年々高まっています。つまり、キャンプをやらずにはいられなくなっているのです。

 参加人口は今後も増えると思います。例えば14年では、キャンプ人口は日本の全人口比で6%でしたが、直近だと7%になり、この5年で1ポイント上昇しています。実際、モノと売り場がきちんとあれば、20%程度には到達すると見ています。

 モノの部分はメーカーである僕らが、(参入を促せるよう)初心者に買いやすく、おしゃれなものを作る使命がありますが、売り場を増やすのは小売りの役割。そこでアルペンの水野社長には以前、「モノ作りはこちらでやりますから、売り場のほうは…

対談の続きは2月19日付けの繊研新聞・電子版で。電子版ではロングバージョンも掲載しています。

続きは繊研新聞・電子版で



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事