ジュエリーブランド「アジョイア」 合成ダイヤモンドの可能性に着目 長く愛されるデザインと品質で

2023/07/24 06:27 更新


シンプルなネックレスやピアスが揃える

 アジョイア・ジャパンが企画・販売する「アジョイア」は、22年5月にデビューしたジュエリーブランド。「地下資源の採掘、児童労働や紛争などの犠牲を伴わない、地球にも人にも優しいダイヤモンド」として、合成ダイヤモンドを使用しているのが特徴だ。パッケージの素材には再生資材やFSC(森林管理協議会)認証紙などの環境負担の少ないものを中心に使用。ドネーションプログラムを設けた企画なども通じ、SDGs(持続可能な開発目標)を意識したブランド活動を掲げる。

 国内生産するジュエリー作りにおいても、長く愛用できるようにと、18K、プラチナといった高品位の地金を使い、シンプルながらツーウェーで楽しめるなど機能性のあるデザインに仕上げている。合成ダイヤモンドのクオリティーにもこだわり、カラーF以上、クラリティVS1以上、カットがエクセレント以上で、0.5カラット以上の石には鑑定書を付けている。価格はシングルピアスで6万円台から。中心価格は20万円前後となる。 ブランドディレクターで同社CEO(最高経営責任者)の清水美帆さんの経歴はユニークだ。外資系マーケティング会社、日系大手専門商社に勤めた後、M&A(企業の合併・買収)コンサルティング会社を起業し、約15年間、代表を務めた。10年から4年間、日本M&Aアドバイザー協会代表理事も務めている。

 「米国では小規模なM&Aは一般的だが、私が創業したころ、日本ではまだM&Aに対する印象が良くなかった。事業承継の難しさがクローズアップされるなかで、もっとポジティブな形でM&Aを使ってもらいたいとの思いがあった」と清水さん。

 アジョイアを立ち上げた背景にも似たような思いがあった。合成ダイヤモンドが日本に本格上陸したのは18年。「当時は業界にネガティブなムードがあったかと思う」と振り返る。一方で、米国では環境に配慮したイメージが支持され、なおかつ天然ダイヤモンドの3分の1の価格であることから、約4分の1のカップルが合成ダイヤモンドを婚約指輪として購入している。このため、「需要はさらに伸びていくのでは」とその市場性に着目し、「今度はこちらを開拓したいと思った」という。

 販売はブランド公式ECでの受注生産をメインにしてきた。1年を経て、知名度向上のためPRオフィスと契約。媒体への露出を増やすほか、期間限定店の出店も目指している。

ディレクター兼CEOの清水美帆さん

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