イオンリテール 男女複合「ラボスペック」を発売

2021/03/12 06:29 更新


 イオンリテールは〝大人が長く着続けられるベーシックアイテム〟をコンセプトにした男女の上質カジュアル「ラボスペック」を立ち上げた。品質、価格帯を引き上げた商品を接客で売り、値引きは極力減らすなど売り方も変えて客層を広げながら拡大を目指す。

(田村光龍)

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 商品は化学繊維を極力使わず、綿や麻などの天然素材を基調にし、経年変化も楽しめるようにする。経験豊富なパタンナー、デザイナーを起用して着心地と上品なデザインを打ち出すが、1型ずつパターンを変えるなどGMS(総合小売業)の価格帯では難しかった取り組みに踏み込んだ。品質を重視したことで、シャツ3880円、ボトム5800円、ジャケット7800円など一般的な商品の1.5~2倍の価格になった。30、40代を対象にするが、それ以上の世代の購買も想定した企画になっている。

 売り場では100~130平方メートルのコーナーを設けるが、基本的に担当者を付けて接客しながら商品のよさを伝えることを目指す。トレンドに左右されず長く販売できる商品として、「値下げ販売は考えていない」(土田幸一衣料本部アパレル統括部部長)。

 新しい生活様式の中でカジュアル化が進み、サステイナブル(持続可能な)の意識が高まる中で、長く着続けられるカジュアルへのニーズに応える。価格への信頼回復を目指すことも含め、値引きありきで商品投入してきた手法を見直す。ジェンダーへの考え方も変わっており、売り場でインパクトを出すことと併せ、男女複合のブランドとした。長く苦戦が続くGMS衣料品にあって、一般的な商品とは異なる手法を盛り込み、新たな客層の獲得を目指す。

 3月5日にオープンしたイオンスタイル新利府で先行、12日の幕張新都心、船橋などの7店を皮切りに、4月までに関東のGMS24店に開設する。本部の近くで検証しながら全国に拡大、25年には4、5倍の店舗数にすることを見込んでいる。

 新利府の立ち上がりでは高めの価格帯ながら接客を通じて「素材を楽しむことが受け入れられている」。GMSとしては若い層が購入していることと併せ、手応えを得ている。

100~130平方メートルのコーナーを構える


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