アダストリアの「ハレ」は毎年、初売りで販促イベント「晴詣」を開催している。日本美術の芸術家と協業した商品や景品が当たるくじなど、セール販売に頼らない企画で集客につなげている。
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ハレは変形シルエットなどモードテイストの服が主力で、中心価格はトップで数千~1万円台前半。メイン客層は20代の男女だ。ここ数年はレディスの型数を増やし、売り上げを伸ばしている。
定価での消化率が高く、セール期でも大々的な値引き販売をしないのが特徴だ。一方で初売りには熱心な顧客が多く集まるため、店舗の販売員から「何かお客様に喜んでもらえるコンテンツを用意したい」と声が上がり、晴詣を企画した。
初回は23年。一定額以上の購入で参加可能な、クーポンやロゴ入りのノベルティーが当たるおみくじを提供したところ好評だった。翌年からは正月にちなんで「和」を意識した芸術家協業商品の販売も始めた。
顧客の間でも恒例行事として知られるようになり、25年は多くの店で用意したおみくじが昼過ぎになくなった。協業品は三が日が終わる頃には在庫がほぼなくなるアイテムもあった。
26年は日本画家の川﨑麻央氏との協業商品を販売する。同氏の作品を落とし込んだシアー素材のシャツや袴パンツなどを企画。雑貨は壁にアートとして飾ってもきれいなスカーフがある。くじは購入金額1万8000円以上用、3万円以上用の2種類。

村岡秀紀ハレ営業部部長は「値引きではないやり方で日ごろの感謝を還元したい。お祭りとして盛り上がるので、顧客と販売員の交流がより深まるメリットもある」と話す。
