既存顧客の高齢化が進み、新規客の獲得が進まない——。この百貨店婦人服共通の「喫緊の課題」の解決を目指して、あべのハルカス近鉄本店が取り組んでいるのがコスメや雑貨、食物販など衣料品以外を組み合わせた〝スクランブルMD〟による複数の新売り場開発だ。コロナ禍の22年春、タワー館4階婦人服キャリアに第1弾となる自主編集売り場「サロンドゲート」を立ち上げた。開設から1年、前売り場と比べて購買客数は大幅に増加し、新規客層の購買も増えた。客層の若返りも進んでいる。
(吉田勧)
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購買客数は2.8倍と大幅増
サロンドゲートの売り場面積は215平方メートル、エスカレーターサイドのフロア中央部に配した。主軸の衣料は、婦人服フロアの高感度化を狙い「ミュベール」「メゾンキツネ」「タン」「クラネ」といったデザイナー・クリエーター系を中心に新規導入し、前自主編集売り場のスタイルギャラリーで支持されていた「ポロ・ラルフローレン」やインポートデニムなどを揃えた。衣料以外は「オサジ」「トラック」などのコスメ、ボディー・ヘアケアやステーショナリーなどのライフスタイル雑貨、ナッツやドライフルーツなどの食物販、カフェの「カフェナンバー」で構成している。1週間単位が基本の期間限定店スペースを含めると、売り場面積の半分弱を衣料以外が占める。
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