東亜紡織 「ライフファイバーEFT」が拓くウールの可能性

2018/03/28 03:58 更新




非塩素防縮加工でエコフレンドリー

 東亜紡織と森保染色、ソトーが共同で開発した非塩素防縮加工「ライフファイバーEFT」。洗濯しても縮まないことによるウォッシャブル性能や、従来の防縮加工に比べ塩素を使わないため環境に優しい点はもちろん、繊維を傷つけないためウールが本来持つ撥水性、吸湿性も維持。紫外線や熱による繊維の黄変もほとんどない。こうした特徴を生かし、スポーツやヨガ、アウトドアといった領域でウールの持つ機能性を発揮できる素材に仕上がった。

スケールを傷つけない唯一の防縮加工

 ウール繊維は表面にスケールというウロコ状のものがあり、洗濯すると絡み合い縮んでしまう。一般的な防縮加工はウールの表面にある「スケール」を削ることで防縮性を発揮するが、このスケールを取ってしまうと撥水性が無くなるほか、一般家庭で使う酵素系洗剤にも弱くなり、黄変も起きやすくなるといった課題があった。また、エコへの意識の高まりや環境規制が厳しくなる昨今、塩素を使用することが将来的に生産におけるリスクに繋がる恐れもある。

 こうした中、自然環境に優しくウールの機能を維持する加工の必要性があり3社でライフファイバーEFTの開発に着手、昨年開発に成功した。ライフファイバーEFTは2種類の異なる薬剤が接する面で皮膜が出来る界面重合の原理を応用。ウールの繊維表面に0.02ミクロンという極薄のポリアミドの皮膜を形成し、スケールを維持したまま、この皮膜により絡み合うことを防いだ。「スケールを傷つけない唯一の防縮加工」であり、撥水性、吸湿性、消臭機能といった機能はもちろん、強度も維持する。皮膜があることで紫外線などから繊維を守り、白度を高めることにも繋がる。ウールトップ段階での加工で、染色など後々の工程で普通のウールと同じように織、編、加工ができる点も特徴だ。

スポーツ、アウトドアにも最適


 ウールの持つ肌触りの良さと機能性を発揮するライフファイバーEFTは、アスレジャーやヨガ、アウトドアといった機能を要求されるシーンにも最適だ。東亜紡織はオリジナルのヨガウェアブランド「ONU」を立ち上げ、当面はONU製品を通じてライフファイバーEFTの良さを広めていく。

 ONUはヨガインストラクターの佐久間涼子さんをアドバイザーに迎え18年春夏向けからスタート。60番単糸と72番双糸使いで、Tシャツやタンクトップ、パーカー、ボトムなどベーシックなニット製品を中心に展開する。チクチク感が無くサラッとした風合いで汗冷えしにくいといった点も好評。Eコマースやヨガのイベントなどを通じて製品を広めていく。

一昨年にパイロットプラントが完成し、現在は量産に向けた体制づくりにも力を入れている。ただ一方で、技術開発も継続している。ウール複合素材への応用や、白度が高まることから、鮮明な色やペールトーンといったカラーバリエーションの広がりも研究テーマの一つ。ウールを皮膜するポリアミド自体に様々な機能を付与することも視野に入れており、ライフファイバーEFTが生み出すウールの新たな可能性が楽しみだ。



東亜紡織株式会社

大阪府大阪市中央区城見一丁目2番27号 クリスタルタワー18階

TEL 06-7178-1165

URL http://www.toabo.co.jp/

(繊研新聞本紙3月26日付け)



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