【トップインタビュー】福原産業貿易 植村聡社長

2018/10/04 06:00 更新


 カットソーやインナー、スポーツウェアまで衣料品に欠かせないジャージー。それを生産する丸編機の世界的なメーカーが福原産業貿易だ。近年では表と裏で編地の密度が異なるクオーターゲージなど、個性的なテキスタイルを生産する機種も開発。今年会社設立80周年を迎えた同社の植村聡社長に今後の方針を聞いた。

―福原グループについて教えてください。

 販売部門である福原産業貿易を中心に、丸編機製造部門の福原精機製作所、編針などを生産する福原ニードルと、針から機械までの国内一貫生産を実現している世界でも珍しいグループです。針の良し悪しが機械、編地に与える影響は大きく、トラブルへの迅速な対応も可能。高品質な編地を作るための一貫体制は、強みとなっています。1961年にはアメリカのモナーク社と提携、品質の高さが評価され欧米、アジアへと販売を広げてきました。

―強みをどのように生かしていきますか。

 価格対応に注力していた時期もありましたが、今後は品質最優先の方向に舵を切っていきます。特に最近ではインナーや衣料用裏地といった用途で、40ゲージや60ゲージといった超ハイゲージニットに対するニーズも出てきました。こうした編地を生産するためには機械の高い精度が求められますし、それは得意とするところ。糸があればすぐに生産できる丸編機ならではのメリットも生かし、様々な用途に展開していきます。

 また、人件費の上昇や労働者不足も世界的な課題です。省力化、省人化に貢献する丸編機の開発を進めており、今秋に上海で開かれる世界的な繊維機械見本市「ITMAアジア」で披露する予定です。

―昨今では技術者の不足も叫ばれています。

 それに対してはサポート体制を更に充実します。弊社の丸編機は一台で様々な編地を編める点も特徴的。技術者を派遣してサポートするだけでなく、様々な編地の提案なども行っています。「機械は子供である」とは印象に残っている先代社長の言葉。縁組先のニッターで、子供がしっかり貢献できるようにしていきます。

―今年3月には兵庫県の芦屋で内見会も開きました。

 国内外からニッター、アパレルや商社など約600名が来場。来場された方からアイデアを頂き、有意義なお話ができました。国内に常に試編できる設備もあり、色々な編地のテストも可能です。主に営業を担当している福原正則専務とともに、様々な方との情報交換を通じ、ともに新たなビジネスチャンスを開拓していければと思います。

福原産業貿易株式会社 代表取締役社長 植村聡氏

福原産業貿易株式会社

〒540-0031 大阪市中央区北浜東6-14

TEL.06(6943)0691 FAX.06(6941)1683

http://www.fukuhara.co.jp

【販売拠点】

アメリカ・EU諸国・トルコ・オーストラリア・ニュージーランド・メキシコ・ブラジル・アルゼンチン・コロンビア・インド・パキスタン・バングラデッシュ・中国・韓国・台湾・タイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン・モーリシャス

(繊研新聞本紙9月28日付け)



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