23年春夏に向け、華やかなテキスタイルが本格的に戻ってきた。外出需要の回復やオケージョンシーンの復活をにらみ、表面変化や色柄で装いを楽しむマインドを後押しする。ただし、長い自粛生活で着心地もケアも楽な服が定着し、意匠素材であっても快適性やイージーケアへの配慮は必須。サステイナブル(持続可能)であることも求められる。様々な要素を満たすために、テキスタイルの力が発揮されるシーズンといえそうだ。繊研新聞のテキスタイルキーワードアンケート調査から見えた傾向を、この間開かれたテキスタイル展の人気商品とともにまとめた。
◇不規則な起伏
環境保護意識の高まりや自然への憧憬(しょうけい)を背景に、テキスタイルは依然としてナチュラルなムードが流れている。引き続き天然繊維が主役になりそうだ。とりわけ、麻への支持が高い。麻独特の粒々とした繊維の固まり(ネップ)が、生地表面にさりげなく変化を与える。乾いたタッチやハリのある風合いも支持され、アイテムを問わず推す声が多い。