ラグジュアリーブランドによるクルーズやリゾートコレクションが、4~5月に各地で公開された。明るいムードとともに、軽快なスタイルが提案された。同じ時期にオンラインで発表されたのは、23年プレフォールやフォールコレクション。店頭販売に合わせて、秋の新作が提案された。白いTシャツやブルーのシャツ、デニムパンツといったデイリーアイテムを軸にしたコレクションが揃った。
(青木規子)
「ルイ・ヴィトン」は、イタリアの北西部、アルプスを望むマッジョーレ湖に浮かぶイゾラ・ベッラ島でウィメンズのクルーズコレクションを発表した。数世紀にわたりボッロメオ家が所有する、神秘的な庭園が広がる水上の宮殿が舞台となった。新作のストーリーは、水中の生活から地上を目指して進化した生き物たち。ファンタジックなイメージとともに、ありふれたものと風変わりなもの、日常と非日常の間を行き来する。ニコラ・ゲスキエールが得意とするミックススタイルが並んだ。
冒頭は、ネオプレンのウェットスーツ。ぴったりフィットする身頃に、魚の背びれのように細い筋の入ったピエロカラー。クラシカルなシルエットと動物的なフォルムが交錯する。ペプラム状に裾が広がるジップアップのネオプレンジャケットは、水から上がったばかりの人魚のごとく水滴のような模様が描かれている。ネオプレンにジャカードをはぎ合わせたドレスは、次第に陸に上がっていく生き物を連想させる。陸では君主を連想させる大きな兜(かぶと)をかぶっている。一方、服はミニドレスや、シャツとヒップハングパンツといったデイリーなもの。重厚な刺繍の装飾、魚のうろこのようなエンボス加工などさまざまな要素が重なる。ラストはパステルカラーのドレスが並んだ。