20年春夏ロンドン・メンズコレクション サステイナブルを背景にデザインで勝負

2019/06/13 06:30 更新


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 【ロンドン=若月美奈通信員】服を次々と生産し消費することへの疑問が急速に高まり、ファッションの立ち位置が大きく揺らごうとしている。20年春夏ロンドン・メンズコレクションでは、サステイナブル(持続可能)な素材や、物作りにおけるヒューマニティーに目を向け、服の新たな価値をクリエイトしようという若手の取り組みが広がった。もっとも、それだけで終わってはいけない。それをベースに新しい美意識を創造し、デザインの力で人々の心をつかめるかが問われている。

(写真=ベザニー・ウィリアムスは大原広和、ほかはブランド提供)

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 環境問題から社会問題まで、世の中が抱える疑問に真摯(しんし)に向かい合い、若手のサステイナブルシーンをリードするベザニー・ウィリアムスのデザインは確実に進化している。

 今回パートナーに選んだチャリティー団体はホームレスや恵まれない人々を援助するスパイレス。庇護を要する女性たちが集まりアートやクラフト技術を学ぶ「バタフライ・カフェ」をタイトルに、花が咲き乱れるガーデンのようなカラーパレットのトラックスーツ、海洋プラスチックゴミの再生糸やリサイクルデニム糸のセーターなどを揃えた。

ベザニー・ウィリアムス

 正直なところ、前回までは日常で着るには重過ぎたり、型崩れしやすいという未完の部分が気になったが、新作は手仕事のぬくもりを継続しながらも軽やかに洗練された。残念なことにショー会場のガーデンは雨でびしょ濡れになってしまったが、それに負けない勢いがある。収益の20%は同チャリティーに寄付される。

ベザニー・ウィリアムス

 スタジオALCHがショーデビューした。デザイナーはオーストラリア出身のアレキサンドラ・ハケットで、1年前にナイキのデッドストックを素材にしたカプセルコレクションでプレゼンデビューしている。春夏の新作は長年集め続けてきたレジ袋をはじめとする使い捨てのプラスチックをキー素材に、Gジャンやショートパンツ、ポケットを強調したスクエアシルエットのシャツなどを揃えた。ファスナーでつないだ立体ポケットは取り外すとエコバッグになる。

スタジオALCH

 フェン・チェン・ワンはスキンベージュとパステルカラー、透ける生地を多用した軽やかなデザイン。むら染めのGジャンやショートパンツ、ローエッジのデコンストラクトなコートなどラフな要素も加えながら、クリーンにまとめる。故郷中国・福建省の村々を訪ねて見つけた大豆と石灰を使った防染や天然藍染めの工房と組んだり、伝統的な竹かごの織りをプルオーバーに採用するなど、伝統工芸に光を当てながら、スマートなアーバンスタイルに仕上げた。

フェン・チェン・ワン

 ステファン・クックの単独ショーデビューはトロンプルイユで遊んだ。テーマはニューヨークの劇場で、本物の衣装を写真撮りして白いシャツやブルゾン、細身のパンツにプリントする。シグネチャーのアーガイル柄の遊びも健在で、ダイヤのピースをつなげたすけすけのセーターに加え、チュールを割いてアーガイル風につまんだトップもある。

ステファン・クック

【続きは繊研電子版で】


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