東コレ18春夏 アキコアオキ、大人の女性の服へ進化

2017/10/19 04:30 更新


 アマゾン・ファッション・ウィーク東京18年春夏は、若手ブランドの躍進が目を引く。「トーキョー・ファッション・アワード」(東京都、繊維ファッション産学協議会主催)、「東京ニューエイジ」「ファッションポートニューイースト」(ともにパルコ主催)など、ウィークで近年進められてきた若手支援の取り組みは、運営手法に賛否はあるにせよ、ここにきて着実に実を結びつつある。

(五十君花実)

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 アキコアオキ(青木明子)は、新世代の注目株として着々とステップアップしている。17年春夏から続けている、ベーシックウェアにセンシュアルなムードを取り入れるスタイルを発展させて、より装飾的で複雑なスタイルに落とし込んだ。縫製などのクオリティーも上がり、ぐっと大人の女性のための服になった印象だ。ストライプのシャツドレスには、カップを上半分だけにカットしたブラジャーを重ね、ドローコードでギャザーを寄せたフリル、シャーリングと、デコラティブな要素を盛り込む。他にも、蛍光色の登山ロープを何本も垂らしたり、カットアウトしたアイテム同士を複雑にレイヤードしたりと、過剰なほどに要素をつめ込んでいるのに、不思議とバランス良くまとまっている。強いアイテムばかり揃える姿勢は以前と変わらないが、実際に街で着る姿を想像しやすくなった点も進化のポイントだ。女性が直感的に好きだと感じるものや、女性をきれいに見せるものだけを集めた、女性デザイナーならではの服。柔らかなムードと、媚(こ)びを排除した潔さや強さが同居する青木ならではのクリエーションに、ますます磨きがかかってきた。

アキコアオキ
アキコアオキ
アキコアオキ
アキコアオキ


 ケイスケヨシダ(吉田圭佑)も先シーズンに続き冴(さ)えている。持ち味であるナードな感覚を生かし、70年代のヒッピーのイメージを取り入れたスタイルを揃えた。サークル状のカットアウトや、そこからのぞくインナーとのレイヤードがキーになる。カットソーのサロペットやランニングトップは、フロントや腰から足にかけて短冊状にいくつも生地が垂れ下がり、それらを結び合わせると丸いカットアウトが連なるデザイン。ブルゾンやテーラードコートも、フロントや肩から袖にかけてばっさりとカット。インナーの小花柄シャツやジャージーとのコントラストを楽しむ。膝下にリブを挟んだベルボトムパンツ、レトロな配色のパンツや厚底ブーツもポイント。ブランド設立以来、長らく核になっていたスクールユニフォームのアイデアだけでなく、古着からのインスパイアで着々と新しいイメージを獲得しつつある。ナードな要素を取り入れつつ、着地点はきっちりスタイリッシュに持っていっているところがいい。

ケイスケヨシダ
ケイスケヨシダ

(写真=加茂ヒロユキ)

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