18春夏パリコレ 伝統にスポーツの要素を入れて

2017/10/04 04:28 更新


 【パリ=小笠原拓郎、青木規子】18年春夏のパリでは、メゾンの持つハンドクラフトの技術や歴史を生かしつつ、スポーティーな要素やカジュアルな振れ幅を持たせて、軽やかに仕上げたスタイルが目立っている。エレガントなドレスの一方で、ブルゾンやタンクトップ、バミューダパンツといった軽快なアイテムも広がっている。

(写真=大原広和)

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 ヴァレンティノは6月のメンズコレクションに続き、スポーツの要素を取り入れた。ブルゾンやハーフコートにスタッズを飾り、PVCの透明感を生かして軽やかなムードを運ぶ。

 マウンテンパーカのようなアイテムも、素材の切り替えでポケットやヨークに変化を作る。とはいえ、その切り替えも表面にシボ感のあるハンマーサテンやネオプレン、キャンバスといった生地を組み合わせており、ライラックやベージュ、ピンクといったニュートラルカラーでヴァレンティノらしい上品な気分に収めている。透明なスパンコールをびっしりと飾ったブルゾンなど、スポーティーなアイテムにもハンドクラフトの技術が注がれる。

 ショーの後半はクチュールテクニックがいっぱいのドレス。春夏は、ハーネスのようなパーツのアイテムとドレスやトップを重ねて着るのが特徴で、ドレスにタンクトップのパーツのようなアイテムを重ねて、詰まった襟元を2枚で立体的に見せる。

ヴァレンティノ

ヴァレンティノ

ヴァレンティノ


 ステラ・マッカートニーは、クラシックなテーラーリングを背景にしたシャープなラインから軽やかなカジュアルスタイルまで充実したコレクションを見せた。

 半袖でノーカラーの構築的なジャケットは、マクラメ状のストラップがついたショルダーバッグを斜め掛けする。オーガンディにレパード柄の刺繍をして、ワンショルダーのコンビネゾンやシャツドレスに。夏の軽やかなイメージを作る鮮やかなアフリカンプリントのドレスは、よく見ると扇風機やマイクの柄だ。

 ブリーチデニムのセットアップ、オーバーダイのイエローデニムのコンビネゾンといったデニムスタイルは少し大きめのサイズ感が特徴。日本製のジャージーを使ったTシャツはサーフカルチャーからイメージしている。

 イブニングはパープルやレッド、黒といった重厚な色のドレスやセットアップ。袖にボリュームをとったり、ベアトップのディテールを取り入れた。

ステラ・マッカートニー

ステラ・マッカートニー

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