【ミラノ=小笠原拓郎、青木規子】18年春夏ミラノ・コレクションにクリーンな色と柄のミックススタイルが広がっている。ラスティックな気分とともに浮上したナチュラルカラーの一方で、ローズピンクやオーシャンブルー、パープルやレッドといったきれいな色も目立つ。
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ボッテガ・ヴェネタは色を出発点にして、アイレットやミラースタッズなどの輝きを組み合わせた。色のバックボーンは、18世紀の新古典主義建築の英国人建築家、ロバート・アダムの設計したケンドルストンホールのマーブルルーム。シルエットはすっきりとシンプルに、そこに大理石やフレスコ画からイメージした綺麗な色をのせていく。メタルアイレットの刺繍やビジュースタッズを飾り、スエードジャケットは表面を部分的に削ってグラデーションのように色を変えていく。ハンドクラフトの技術を生かして、カーフレザーのコートにアイアーズをレパード柄でパッチワークしたり、モザイクのように細かくアイアーズをはぎ合わせてジャケットにしたり。
スエードドレスは身頃にスタッズを飾るとともに、ストリングス刺繍の一本一本にもビーズを通して、立体的な輝きを表現した。アウターやボディースーツなど、スポーティーなアイテムもいっぱい。シルクやガラス加工のレザーなど、軽やかな光沢をのせたパーカもある。
メンズラインも手仕事を入れたスポーティーなアイテムが中心となった。テーラードジャケットは一切無し。シルクのリバーシブルブルゾン、ヨークをプレシャスレザーで切り替えたプルオーバーシャツなどを揃えた。ウエスタンディテールも随所に見られる。メンズもレディスもぐっと若々しいラインへとシフトした。


ヴェルサーチは、ジャンニ・ヴェルサーチ没後20年を機に、彼の功績をたたえ、オマージュを捧げたコレクションを見せた。アーカイブからたくさんの柄を選んで、ヴェルサーチらしいスポーティーでセクシーなアイテムにのせた。アニマルやバロック、ネイティブアメリカンや雑誌、アンディ・ウォーホルのアートの柄といった90年代初頭のヴェルサーチのコレクションに登場した柄がいっぱい。フィナーレには、90年代に活躍したスーパーモデルのクラウディア・シファー、ナオミ・キャンベル、シンディ・クロフォードらが登場して、観客を驚かせた。