18春夏ミラノコレ 色柄ミックスや透明感

2017/09/25 04:30 更新


 【ミラノ=小笠原拓郎、青木規子】18年春夏ミラノ・コレクションには色柄ミックスのスタイルや、軽やかな透明感を生かしたコレクションが広がった。透ける素材を重ねることで、軽やかでも複雑な表情になるのが新鮮だ。ロンドンに続き、作り込みながらどこかラスティックな雰囲気も大切になっている。コットンや麻の風合いとナチュラルな色使いにそんな気分を感じることができる。

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◆プラダ

 壁一面に女性アーティスト9人による漫画が描かれたショー会場で、プラダはマルチミックススタイルを見せた。

 キーアイテムとなるのはコートとショートパンツ、シャツドレス、ニットベスト。コートの多くは製品コーティングや製品ペイントで、部分的に染まらなかったパーツが〝あたり〟のようになり、下地の色がコーディネートのコントラストとなる。スザンヌ・ヴェガ、ニルヴァーナ、ライ・クーダー、シンニード・オコナー、さまざまな音の断片がつなぎ合わされる中、このコーティングコートを軸に色と柄をミックスしていく。

 シャツに重ね着するのはワンショルダーのニットベストやチュニックのようなドレス。ドレスには漫画がプリントされ、ジャカードで柄が描かれる。シャツドレスは襟や身頃、ヨークをスタッズとハイビスカスとタイガー柄で切り替えたり、不気味なクモの絵をのせたり。

 ボトムはコーティングのスリムパンツのほか、ビジュー飾りのショートパンツにハイソックスといったコーディネート。コーティングされるのは無地のほかドットやヘリンボーン柄。ヘリンボーンに織られたコートとヘリンボーンのオーバーペイントコートの二つの違いで遊び、シックなコートも襟にレパード柄をのせる。足元はスニーカーやミュール。

プラダ

◆フェンディ

 フェンディはグラフィカルなバイアスストライプとカリビアンカラーに、透け感の素材を組み合わせて軽やかに仕上げた。たくさんのストライプ柄は身頃の中心でバイアスに流れ、オーガンディのような透ける素材を重ねてストライプの見え方に変化を作る。

 ドレスやトップの特徴的なディテールは、オフショルダーとウエストのカットアウト。オフショルダーからセーラーカラーのようにバックに布を重ね、素肌をのぞかせる。ドローコードのシャーリングでドレープを作ったドレスなど、どこかラスティックな気分が漂うのも今シーズンらしい。

 アストラカンのカットワークトップや刈り込みファーのチェック柄コートなど、得意のファーを随所に差し込みながらも、柔らかい透明感を強調した。

フェンディ

(写真=大原広和)

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