16~17年秋冬物プルミエールヴィジョンニューヨークが7月21、22日にピア92で行われた。来場者数は4246人と1月展より6%伸びた。特にカナダからの来場者は35%増と伸びが目立った。出展は306社で、日本からは9社。表面変化、二重織りやボンディングなど厚みのある素材、インディゴの人気が高かった。(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
C.O.T.O.バイ・スタイレムは、ウールとアルパカの混紡を毛羽立て、ウエーブを付けてコーティングした素材やカットジャカードなどが良かった。特殊な編みでボンディング風にした素材は、ボンディングほど硬くならないことが評価された。
宇仁繊維も箔(はく)プリントをのせたメッシュ、フロッキー加工したレース、アイレットと無地のボンディングやレースとメッシュのボンディングなど、変わった素材の人気が高かった。
初めて秋冬展に出展した島精機製作所は、凹凸を出したニット、3 ゲージ の機械で2 ゲージ 相当の風合いを出したメッシュなど、表面変化のある素材が良かった。「ホールガーメント」は、新型のマッハ2XSを見せた。ネックラインを深くくることが可能になったこと、ピンタックやバスケット柄など立体感のある編み地ができるようになった。
瀧定名古屋で良かったのはポリエステル、アセテート、ニットを問わず、すべて二重織だ。三重織も評判が良く、少し厚手でフォルムを作りやすいものが人気。保湿性など、機能商品の要望も多かった。
丸和商事は、打ち込みのしっかりしたジャカードでシャツを仕立てて見せ、ほかにないと好評だった。一方で、柔らかいダブルガーゼもよく、厚手の素材とソフトな素材の両方が好まれた。
デビスコーポレーションは、20年前から扱っている定番のキュプラがいい。今までロサンゼルスのブランドにしか売れなかったサンドウオッシュのツイルやサテンが、ニューヨークのブランドからも引き合いがあった。風合いと見た目のウオッシュ感が人気の理由。キュプラとポリエステル混のクレープも好評だった。
北高はプリント、無地、ジャカードを問わず、インディゴ関係が良かった。桑村繊維もインディゴの先染めチェックやストライプ、無地がよく、特にネービー系のチェックの人気が高かった。
初出展した東レは、ナイロンスパンの「セボナー」に限って見せた。すでに「ルルレモン」や「ザ・ノース・フェイス」などが使っている。東レ大阪本社の婦人・紳士衣料事業部婦人・紳士織物第1課の蒲生吉伸課長は、「世界的にスポーツとファッションの境目がなくなってきている。ファッション系のお客にどこまで受け入れられるか、どんなお客が来るのか、商売のチャンスがあるのか、リサーチのため出展した」と話した。