「独身の日」商戦10周年 アリババ集団は2500億元目指す

2018/11/09 06:29 更新


 【上海支局】中国では11月11日は「独身の日」。今年は日曜日にあたり、激しい商戦が繰り広げられている。

【関連記事】《めてみみ》中国でも転換点

 独身の日商戦は、09年にアリババ集団がネットショッピングを盛り上げようと27ブランドで開始した。その後、京東集団、蘇寧易購などが参入し、今や国民的なイベントに成長した。

 10周年にあたる今年は、アリババ集団だけで2500億元(昨年は1682億元)と強気の目標を掲げている。街中は独身の日の看板だらけ。スマートフォンで決済しようと思って支付宝(アリペイ)の画面を開けば、「1111」の大きな数字が目に飛び込んでくる。

支付宝(アリペイ)のトップ画面を開くと「1111」の数字が

 安く買うための仕組みは複雑になる一方だ。商戦は10月20日から始まっている。アリババの天猫では予約販売や割引チケット、紅包という金券の配布が日替わりで行われている。直前の9日から11日当日までは、大量の紅包が配布され商戦を盛り上げていく。新たに導入されたのが、最大5人でチームを作ってゲームをすると、当日使用可能なポイントが得られるというもの。

 割引チケットには、様々な条件がある。事前予約との組み合わせ方によって値引き率が上がったりする場合もあり、説明をしっかりと読む必要がある。欲しい物を安く買うには、慣れないと意外に時間がかかる。

 中国消費者協会が、昨年の独身の日の後に発表した報告書によれば、独身の日に販売された商品のうち約80%が、実は値引き無しだったという調査結果を公表した。報告書によると、セールの前後1カ月間にネット上の価格動向を追跡した539品目のうち、78.1%は、セール日と同額か安い価格で売られていたという。

 ただ、実店舗では、独身の日が近くなると売り上げに苦戦するところも多く、「無視できない買い物のお祭りになっている」のは事実のようだ。

エレベーターホールにある画面はアリババ集団と京東集団の宣伝を交互に流していた
エレベーターホールにある画面はアリババ集団と京東集団の宣伝を交互に流していた


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事