21年に西千葉に本社屋を移転したゾゾが、様々な接点で地域との交流を深めている。主体は同社フレンドシップマネージメント部。「移転前も含め、千葉は創業期から20年以上本社を置き、成長させてもらった場所。ゾゾが育んだカルチャーをもとに、恩返ししたい」(同部ディレクター梅澤孝之さん)との思いがある。
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ゾゾの広場に集う
本社屋向かいの「ゾゾの広場」は、交流のベース。フリースペースとして子供たちが駆け回るだけでなく、イベントにも開放。ある時はマルシェが並び、時にスケボー教室が開かれ、夏は盆踊り会場と化し、数千人が集う。千葉大学からの依頼で、植物が植えられたプランターも並ぶ。自治会への参加をはじめ、地域の団体とコミュニケーションを取り、運営に生かしている。
西千葉スタンプカード
社員が地域の飲食店で食事をすると、店でスタンプを押してもらえる「西千葉スタンプカード」もユニークだ。たまると割引券などが当たる福引きができる。割引原資は店に負担がかからないようゾゾ持ちだ。
本社には社員食堂が無い。「町の飲食店を食堂のように利用し、地域を盛り上げよう」との考えからで、スタンプカードはそのあと押しにと1年ほど前に作成した。個店が多いこともあり、担当者が1店ずつ趣旨を説明して回り、参加店は現在約50。常連となり、店主と名前で呼び合ったり、誕生日を祝う間柄になるスタッフも現れ、〝西千葉愛〟醸成に役立っている。
コーヒースタンド開放
昨年、ゾゾの広場の並びに設けた新社屋「ゾゾスタジオ」内には、地元住民も一息つけるコーヒースタンドがある。スタンド内でワークショップも企画しており、「コミュニティースペースにもできれば」との狙いも。コーヒーは地元の「エウレカコーヒーロースターズ」の豆を使用。同店とは、以前にゾゾと西千葉をテーマにしたドリップパックも作り、ふるさと納税の返礼品になっている。
フレンドシップマネージメント部では教育機関への〝出前授業〟も行う。千葉を中心に、今期だけで約120校を訪問した。「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」「ソウゾウノナナメウエ」といった企業理念やスローガンを通して、仕事への価値観や取り組みを講義することが多い。「社会や仕事に不安を持つ子も多い。そこをポジティブに転換し、目線が変わる一助になれば」とし、30年までに100万人とつながる目標を立てる。
これからも「西千葉を特別な素晴らしいものにしたい」と梅澤さん。また、「他の地域でもヒントにして頂けるようなものにもできれば」としている。