コロナ下の急激なECシフトの受け皿となり、21年3月期には年間取扱高4000億円を超えたゾゾ。22年3月期はペイペイモールへの出店効果も大きく、伸びを保つと見られる。その勢いに目が行きがちだが、商品取扱高に頼らない収益構造への新戦略を掲げている。その「プランニング、チューニングの年」(澤田宏太郎社長兼CEO=最高経営責任者)として昨年は、実店舗支援サービスの開始や複数の計測技術の発表など、新たな事業に取り組み始めた。23年3月期は、その実現に向かう。「ファッションを『買う』ならゾゾ」から「ファッションの『こと』ならゾゾ」へ変貌(へんぼう)中だ。
(中村維、写真=鳥居洋介)
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元には戻らない
「業界の下支え」という役割を果たした。
ECシフトが鮮明になったのがコロナ下1年目、2年目でそれが定着した。以前からECを重要視する雰囲気はあったが、在庫の配分など細部の詰めになると、リアルが重要と落ち着くケースが多かった。それが逆転した。リアルとネット7対3くらいが、4対6の感じに。この数字は、消費者やアパレル経営者の意識に占める割合とも言える。いろんな方とお話していても、「ECが重要だ」と判断によどみがない。この割合、この世界はもう元には戻らないのでは。それは僕らのデータからも見えている。コロナ下で仕方なくネットで買った人のリピート購入率はそれほど上がらないはずだが、コロナ禍前より鈍っていない。ECで服を買う便利さを感じて頂けた結果と思う。
「ゾゾタウン」から在庫確認などが可能な「ゾゾモ」や販売員支援アプリ「ファーンズ」など実店舗サポートも開始した。
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