越境EC支援のジグザグ仲里社長 「世界中の欲しいに応える」

2020/02/03 06:27 更新


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 越境EC支援のジグザグ(東京、仲里一義社長)の「ワールドショッピングビズ」を導入するファッション系企業がじわじわ増えている。サイトにタグを一本入れるだけで最短翌日から海外対応でき、しかも廉価とあって、大手アパレルから中小の個店まで、こぞって導入を進めている。海外からの日本語のECサイトへのアクセスは全体の2~8%あるとされ、決済が理由で販売機会の多くを失っているという。その額は推定3000億円以上。これを解消するだけで、「物流や決済業者など恩恵は産業全体に波及する」と仲里社長は話す。

(永松浩介)

 仲里さんは広告畑出身。10年に外資系の国際物流会社の代表に転じ、その時の経験から15年に同社を設立した。「通販ショップからの要望で、海外ユーザーとショップの仲介をしていた」。海外とのやり取りには、言語と配送、決済という三つのハードルがあったが、解決できたのは配送だけ。その後、「残り二つのボトルネックの解決のめどが立った」ため、起業することにした。個人投資家などからこれまでに3回、1億数千万円の資金を調達している。

1行加えるだけ

 テクノロジーを駆使して三つのハードルを克服し、「世界中の欲しいに応える」を掲げる。ワールドショッピングビズの導入の工程はシンプルだ。ユーザーのサイトにJavaスクリプトのタグを1行加えるだけで、最短1日で海外客が決済できるようになる。ある大手アパレルは、実装した翌日に海外から注文があったという。既存のサイトの雰囲気がそのまま、というのも利点だ。

 IPアドレスを通じて海外からのアクセスを感知すれば、注文のポップアップ画面(カート)が立ち上がり、ページを遷移しても画面は表示される。「海外販売といえばすぐ翻訳となるが、さほど重要ではない。商品ページの写真などでうまく伝えられれば客は購入する」。機会ロスの多くは、「日本語の入力フォームだから記入できない」「そもそも海外のクレジットカードが使えない」などが理由。買う気満々の海外客がそれだけで購入に至らないのは、「例えると、店に来ているのに売らないようなもの。もったいない」。

 受注欄は英語、日本語、中国語(繁体、簡体)に対応。競合サービスは商品データを別サイトにつなぐなど、コスト面でもハードルが高い。ワールドショッピングビズは「圧倒的に簡単で安い」のが強みだ。日本国内の消費者向け物販系EC市場は約9兆円。その数%でも購入すれば数千億円の規模になるとみる。中には海外客だけで月間2000万円を売り上げるサイトもある。「送料がかかるからか、まとめ買いが多い。客単価は国内客の2、3倍」という。

海外からのアクセスを感知すると、自動的に入力フォームが立ち上がる

実は輸入代行

 初期費用は3万円で、月額5000円と導入コストも低い。利用料には顧客対応や通関手続き、英語のインボイスなども含まれる。80カ国に出荷実績があり、125カ国まで販売可能。導入企業は三陽商会、アダストリア、トゥモローランド、コーエンなどファッション系が過半。「導入企業への課金は不要かもしれないが、これがないと真剣になってもらえないので」

 越境EC支援をうたっているが、そのビジネスモデルは実は輸入代行サービスだ。同社が注文内容を受け付け、購入手続きをし、配送センター宛てに商品を送ってもらう。その後、商品の中身を確認してリパック、海外発送する。海外の注文主からは購入代と国内配送料の10%を得る。海外配送料も購入者負担だ。同社は、この仕組みのほか、複数の特許を取得している。

 現在の利用サイト数は400ほど。流通量の多さが手数料の増加に直結するため、利用企業を増やすことが喫緊の課題だ。目標は「1万サイトぐらいまで増やしたい」。そのためには大手プラットフォームとの連携が不可欠で、可能性を探っている。

 商い量が増えれば、ドメインをまたいでデータもたまる。これも将来の資産になる。「今は日本と海外をつなげているが、海外から海外というのも展望している」とビジョンを描く。

海外販売が可能になれば春夏に南半球でコートを売ることもできる。インバウンドの旅行前後にも対応でき「メリットは大きいはず」と仲里さん

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