吉田の「ポーター」は「ザイノウエブラザーズ」と協業し、ボリビアの首都ラパス近郊エル・アルトの工房で織られたアンデス伝統の織物「アグアヨ」のオリジナルパターンを使ったバッグの販売を開始した。
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発売前日に開催したトークイベントで、ザイノウエブラザーズの井上聡氏は「大好きでリスペクトしているポーターとの協業では、大変さはあるが、自分たちの活動の原点であるボリビアを選んだ」と強調した。
「高級原料のアルパカを育てるボリビアの先住民が貧しいのはなぜか」という問題意識から06年にソーシャルプロジェクトに取り組んだ初めての地。「出会うまではつらく暗い生活を想像していたが、貧しくても明るくパワフルな先住民の暮らしに触れるなど刺激的な経験によって、生き方や考え方が変わった」と振り返る。
協業を依頼するにも標高4000メートル以上の過酷な環境で、インターネットもないので、直接会って思いを伝えなければならない。バッグに取り入れたアグアヨは、高地で色の少ない世界で暮らす先住民にとって色彩豊かで日常生活に欠かせないアイテム。通常、伝統的な柄を使うのが一般的だが、井上氏らの熱量が伝わり、協業のためにオリジナルの柄を織ってくれた。
吉田の開発担当の遠藤亮氏は「両社とも作り手=職人を大切にする気持ちが共通している。イノウエブラザーズとは10年以上の付き合いだが、ようやく協業が実現した。手織りのアグアヨにバッグで耐えうる強度を持たせるのも大変で、開発には2年かかった」という。全型に付くボリビアの女性が手編みした指人形や販促用の動画からも作り手の思いが伝わる。
バックパック税込み10万1200円、ウエストバッグ5万7200円、バルーンサック4万7300円。