「荷物をたくさん入れたバックパックは重いもの」――そんな常識が覆ろうとしている。米スポーツメーカーの「アンダーアーマー」(UA)が重量感を軽減するテクノロジーを開発。同技術を搭載した「UAノーウェイバックパック」を日本では25年8月に発売した。
【関連記事】「アンダーアーマー」26年に誕生30周年 ドーム、革新的商品で販促強化
ポイントはじゃばら状のショルダーストラップ。これが荷の重さや体の動きに合わせて伸縮し、体にフィット。それによって肩と接する面積が増え、重さが分散、負荷を軽減するという仕組みだ。
この商品に重い荷物を入れてアメリカの学生アスリートたちに背負ってもらうと、「NO WAY」(まさか)と驚かれた。そこで「ノーウェイト」(軽量)と掛け合わせ、「重さを忘れるほど軽い」を意味する造語「NO WEIGH」を商品名に入れた。

一般的に競技者は自身が試合や練習で使う用具を自ら持ち運ぶ。ただ移動が長かったり、荷物が多かったりすると疲労や怪我のリスクがある。そこでUAではバッグについて「アスリートが所有する用具の中で最も体に害を与える可能性がある」と判断。従来のバックパックのショルダーストラップは重さが一点に集中する構造になっていることから、それを改善するための開発とテストを繰り返した。
売れ行きは上々だ。日本では大きな販促をかけなかったにもかかわらず、口コミで評判が広がり初回投入分は早々に完売した。同商品は今後、スポーツだけでなく通勤・通学のライフスタイルシーンにも広がる可能性がある。日本総代理店を務めるドームの井出和仁社長も、バックパック市場における「ゲームチェンジャーになり得る」と期待する。
