原材料費の高騰がファスナーの製造にも響いている。金属ファスナーの主材料となる銅や亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格が大幅に上昇しているからだ。YKKの大谷裕明社長はコスト上昇分を100%転嫁することは「毛頭ない」と強調、「加工費を下げるなど全体の製造コスト上昇を抑制するための企業努力を継続する」構えだ。
(藤川友樹)
現状は備蓄在庫もあるが、今後は原料価格が高止まりして企業努力では吸収できなくなるため、価格への一部転嫁はやむを得ないという。「企業単体ではどうにもならない事態に直面した場合は、一方的な値上げはしないが、取引先の理解を求めていきたい」と話す。