ゾゾがヤフーからのTOB(株式公開買い付け)を受け入れ、資本業務提携契約を締結すると発表したことについて、ヤフーとゾゾは12日に会見を開いた。ヤフーの川邊健太郎社長は、TOBに4000億円の投資を行う理由について「自社のEC事業を広告と並ぶ成長のキードライバーにするため」と語った。前澤友作前ゾゾ社長は「ゾゾがこれからも成長を続けるためにはファッション好きだけでなくあらゆる人にサービスを届けないといけない」と話し、今後のゾゾは「チームワーク、総合力が問われる」と語った。
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川邊社長はゾゾの子会社化について、今秋スタートするペイペイモールにゾゾタウンが出店することがメリットのひとつと話し「ファッションカテゴリーで入ってもらう。ゾゾタウンの出店ブランドのすべてにペイペイモールに出てもらいたい」と話した。
また、ヤフーは30~40代、ゾゾは20~30代と客層が異なり、相互送客により購入者が飛躍的に増え、取扱額も合算で2兆円を超えるなど「20年代前半に国内ナンバーワンのECモールになれる」との見通しも語った。ゾゾタウンでペイペイを導入するほか、双方が提供するEC以外の様々なサービスでも今後シナジーが期待できるとしている。
前澤前社長は、ゾゾがヤフーの子会社となることについて「双方にとってシナジーを発揮できる提携になると、自信を持って話を進めてきた。双方の経営陣が賛成している」と語った。澤田宏太郎社長兼CEOは「これからのゾゾには成長感に加えて安定感も必要」とヤフーとの提携を進めた理由を話し、今後は「トップダウンではなく、社員一人ひとりの力を活かす経営をしていく」考えを示した。