八木通商、海外向け生地販売20%増

2016/12/27 06:30 更新


 八木通商は、欧米やアジアなどでのテキスタイル販売を強めている。日本の輸出繊維部、香港法人、上海法人、八木通商アメリカを含めた生地販売額は前年に比べ20%増ペース。通期でも同程度の伸びを見込む。

 14年秋から伊素材展ミラノウニカ(MU)に出展、ドイツ、中国などでも積極的に国際生地見本市に出るなど攻勢を強めてきた。

 伊では「MUへの継続出展で新規開拓が進み、知名度も高まってきた。あとは売り上げを大きく伸ばすために顧客とのパイプを太くする」(平能正弘輸出繊維部部長兼八木通商香港董事総経理)と顧客への訪問回数を増やす。

 来年2月のMUにも出展する。ムニック・ファブリック・スタートなどに出展するドイツは、「市場自体は良くはないが、販売が上向いてきた」と回復傾向にある。「伸び代が大きい」とみる英国向けは出張ベースで営業を強めている。

 欧州向けをさらに増やす上で欠かせないのが柱となる商材の育成。日本で作るデニムは着実にファンを増やし、売り上げの柱になっている。デニムに加え、欧州展で打ち出しを強めるのは合繊機能素材とニット。糸から開発しマットに仕上げたダウンアウター向け高密度タフタや、従来よりも薄くて軽く仕上げた段ボールニットをコート向けなどで提案する。

 好調なのは北米向け。日本の技術や企画を中国に持ち込み生産する、綿のツーウェーストレッチやアウター向けが良い。米国の有力アパレルや小売業でパンツなど主力商材向けに採用され、伸びている。

 拡大市場と期待する中国では1社とエージェント契約を結び、上海と北京市場を開拓する。この1年はインターテキスタイル上海などに出ていたが、展示会への出展は休止する。韓国向けは今年からスタートし、現地アパレルに日本製生地を販売する。

 

YAGI
伊や独の素材見本市に継続出展し、取引先を増やしている


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