3月半ば、ブルックリンのグリーンポイントに、長距離ハイキングとロッククライミングに焦点を当てたアウトドアグッズ専門店「コントラスト」がオープンした。オーナーは、ニューヨーク在住の若い日本人男性3人組だ。

CEOの松岡諒さん(写真右)は12年前からニューヨークに住み、メンズのストリートウエアブランド「ナッシンスペシャル」を始めて10年になる。ナッシンスペシャルは卸売り中心で、ソーホーのメンズセレクトショップ「ブルーイングリーン」にも入っている。
パートナーの1人、高杉知明さん(写真中央)はニューヨークに住んで19年になる。8年前からブルックリンのサウスウイリアムズバーグでカフェ「PPL」を経営している。
松岡さんと高杉さんは10年前、ニューヨークのレゲエパーティーで知り合った。2人で店を出す話をしていた時にコロナが蔓延。店の話は立ち消えになった一方、コロナの最中に長距離ハイキングやロッククライミングをするようになった2人。2年前に、改めて店をやる話をし始めた時、「普通のセレクトショップではなく、長距離ハイキングやロッククライミングに焦点を当てた店」の構想が浮上した。
その理由は、ニューヨークでアウトドアギアを買える店といえば、REIくらいしかなく、ネットではいろいろ買えても自分で触って選べる場所が少ないことだった。「スノーピークの場合は、いろいろなグッズを車に詰め込んでグランピングに行くというイメージ」と松岡さん。松岡さんと高杉さんがやる長距離ハイキングは、できるだけ荷物を少なくしたい。アウトドアグッズの店といっても、「超軽量」にこだわった店である点がユニークだ。超軽量にこだわったグッズは、ハイキングしなくても欲しい人がいるだろう。
そんなとき2人は、日本のテレビ局で映像ディレクターをしていた上出遼平さん(写真左)と知り合う。2年半前にニューヨークに移ってきた上出さんも山登りが好きで、夫婦でニューヨークで山道具の店をやりたいと思っていた。そこで、3人で一緒にやろうということになったわけである。
出店場所は、徒歩1分のところにロッククライミングジムがあるという理由で、今の場所に決まった。松岡さんによると、そのジムはボルダリング専門で、ニューヨーク市内にロッククライミングのジムは10件近くあるという。
約130平方メートルの店は、中央に1人用のテントを置き、バックパック、寝袋、調理道具、浄水器、靴、レインウエア、ダウンジャケットなどを揃える。半分は日本の「ガレージブランド」で、大手は「モンベル」を扱う。アメリカのブランドは、「オンラインでは買えるけれどREIでは扱っていなくてみんな欲しがっているもの」にしたと松岡さん。

オープン以来、モンベルの薄手のダウンジャケット(250ドル)がすぐ売れたそうだ。メイン州の「ハイパーライトマウンテンギア」のバックパック(55リットルで420ドル、40リットルで395ドル)も人気商品。

オンラインでは、新潟の燕三条で作られている「エバニュー」のチタンのアウトドア用コップなども人気があるという。
店に入って左側にはコーヒーとペストリーを売るコーナーを設けた。コーヒー豆は高杉さんがこだわって選び、焙煎もしている。ペストリーはすべてグルテンフリーで、最近マンハッタンのダウンタウンにオープンしたばかりのカフェ「koke」をやっている友人につくってもらっている。

右側は雑誌やトレイルマップを置き、ちょっと座って溜まり場になるようなスペースをつくった。中央奥にこだわりのスピーカーを置き、ジャズやレゲエのレコードをかける。コーヒーを買って瞑想していく人もいるそうだ。お客はインスタグラムと口コミで広がりつつある。

ちなみに店名の「コントラスト」は、音楽やクラブなどのシティーカルチャーと自然のカルチャー、その両極にあるものを自分たちがうまく表現できたらいい、山に行ってそのままクラブに行くのがかっこいいと思う、という思いからきているそうだ。

89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)
