日本発のファッションといえば、やはりデニムの人気は根強い。その日本製のデニムを使ったカスタムメードのジーンズをつくっているブランドが、ニューヨークにある。ブルックリンのブッシュウイック界隈に本拠を置く「アトランティック・スタンダード」だ。
創業者の竹村知記(ともき)さんは、日本の古着屋でバイトをしていた時、ビンテージのリーバイスに興味をもち、2007年にFIT(ファッション工科大学)に留学。国際貿易とマーケティングを専攻した。卒業後はニューヨークにある日系デニムブランドの店で販売員を務め、さらに日系商社2社でデニムを主に扱うようになった。
竹村さんが「いいなぁ」と思う日本製デニムがあっても、値段が高過ぎたり納期が合わなかったりして、使ってくれるブランドがなかなかないことがあったという。自分が好きなジーンズが市場にないと感じていた竹村さんは、同僚や同業者から縫製を教わり、既存のジーンズをバラして型紙を作り、自分用にジーンズを作り始めた。
やがて友人の分も作るようになり、2023年、ビジネスとして「アトランティック・スタンダード」を立ち上げた。
現在、1本510ドルでカスタムジーンズを受け付ける。藍染めで緯糸に柿渋染めの糸を使ったデニムで仕立てたものは650ドルになる。
オーダーは月5〜10本入り、2〜3ヶ月かけて制作する。お客はインスタグラムで知ったり、グーグルで「bespoke jeans」で検索して見つけてくる人、アトランティック・スタンダードを知っているオーダースーツの店で紹介された人など。大方はニューヨークに住む30代から60代で、男性も女性もいる。
オーダーしてくる人の多くは、背が高すぎたりウエストが太すぎるなど、既成服が合わない人たち。気に入ったら、5〜6本リピートする人もいるそうだ。
デニムはセルビッジのみを使う。既製品に見られないような珍しい素材感のデニムもある。コットン80%リネン20%の左綾のデニムは、ドレープができるソフトな手触りでネップ感が強い。むら染めの激しい糸を使ってかせ染めにして、絣のような生地感に仕上げたデニムもある。
狭い部屋の中央に裁断台を置き、周りに9台のミシン、そして糸巻きが並ぶ。1人でコツコツとつくるジーンズ職人の小さな砦だ。



89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)
