アップサイクルブランド「リフライド・アパレル」の仕組み(杉本佳子)

2025/01/27 06:00 更新


 今年のプルミエールビジョンニューヨークに、マサチューセッツ州に本拠を置くリ・パーパス/アップサイクルのブランド「リフライド・アパレル」(以下リフライド)が出展していた。テキスタイルの展示会だが、置かれていたものはすべて1点物の服と布製のバッグや帽子などの小物なのである。

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 仕組みはこうだ。メーシーズやチャンピオン、フットボールや野球のプロリーグ、大学内のショップなどがリフライドにデッドストックを送ってくる。デッドストックなので洗浄は不要だ。リフライドは送られてきたものを解体し、1点物の商品をつくる。縫製は地元の人々に頼んでいる。現在、縫製スタッフ12人に加え、すでにいろいろなブランドのために縫製をしてきている20人のフリーランスの人がいる。送料はリフライドが負担する。


 元々はオーナーのマークさんの妻が、趣味で自分や友人のためにこうした服をつくっていた。古くなった服をただ捨てたくないという理由で始め、そのうちファーマーズマーケットで売り始めたら人気が出たという。マークさんはビジネスになると考え、投資家もついて、現在に至る。

 つくった商品はリフライドのウェブサイトでも売っている。特に学生など、若い人たちに好評のようだ。確かにちょっとレトロな感じで可愛く、しかも同じものを着ている人がいないというのは魅力だろう。

 店やブランドはデッドストックをなくせるし、リフライドは生地代なしでモノをつくることができ、縫製を得意とする地元の人たちを雇用して地元の経済にも貢献する。ウインウインウインのビジネスモデルといえるのではないか。

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89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ



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