ワールド 経営トップの若返りでプラットフォーム構築を加速

2020/03/30 18:02 更新


 ワールドは3月30日の取締役会で新たな役員人事を決めた。6月23日付で鈴木信輝グループ専務執行役員が代表取締役・社長執行役員に、上山健二代表取締役・社長執行役員が代表取締役会長に就任する。寺井秀藏代表取締役会長は取締役を退任し、新設したシニア・チェアマンに就く。

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 今回のトップ交代について上山社長は、「業界全体のロス・ムダをなくすための多様なビジネスのプラットフォーム、ワールド・ファッション・エコシステム(WFES)の構築を、デジタルを軸にしてさらに発展させるためには、その分野に知見がある鈴木氏がふさわしい」と話した。

 新社長の鈴木氏は、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)、ローランドベルガーなどを経て、事業戦略から販売マーケティングなど一気通貫での企業変革に向けた戦略策定・実行支援を担当してきた。12年9月にワールド入社、17年にグループ専務執行役員、18年4月からグループ専務執行役員グループ戦略統括(現任)に就任した。45歳の新しい経営トップは、さらなるWFESの進化を担うことになる。鈴木氏は「激動の時代にあって、新しいファッションの時代を作り上げていきたい。ワールドの事業のポートフォリオが多様になるなかで、より器を大きくしていきながらグループ全体を束ねていきたい」と抱負を述べた。

 シニア・チェアマンに就く寺井秀藏会長は、97年に48歳でワールドの代表取締役社長に就任して以来、経営トップとしてワールドグループをけん引してきた。“寺井体制”の下で、アパレル卸からSPA(製造小売業)業態、そして“ファッション産業の総合プラットフォーマー”へと変化しながら“非連続な成長”を果たしてきた。昨年の夏ごろ、寺井会長は「ようやく私たちが思い描いていた産業プラットフォーム構想を受け入れてもらえる時代が来た」としていた。今後は、取締役の立場を離れ、「業界内外の幅広いネットワークを通じて、業界の発展に貢献する役割が期待される」(上山社長)としている。

「企業としての器をより大きくしながら、グループ全体をまとめていきたい」とする鈴木信輝新社長(右)と、上山健二現社長


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