ワコールの「シンクロブラトップ」がヒットしている。SPA(製造小売業)などにシェアを取られたブラトップ市場に対し、「下着メーカーが本気で作ったブラトップ」をキャッチフレーズに展開している商品。人気タレントの渋谷凪咲さんを起用したテレビコマーシャルやデジタル広告、連動したPRイベントや店頭プロモーションなどの効果で、5月は月次計画比41%増、6月は同72%増となっている。
【関連記事】ワコール「シンクロブラトップ」の新しいCMがスタート 渋谷凪咲さんを起用
シンクロブラトップは、アンダーの締め付け感を軽減した楽な着け心地と、同社が得意とする造形美に関する技術を生かしたきれいなシルエットが特徴。この間、売り上げを落としてきたアフォータブル層へのアプローチを目指した戦略商品の一つで、中心価格は2970円に抑えた。
ウェブで商品やレビューを見てから店頭で購入するケースが多く、ECでベストセラーになったり、好意的なレビューを投稿する顧客が増加。ECをはじめとするデジタル戦略と店舗のクロス販売が効果を表した形だ。
好調な半面、一部商品では欠品も生じた。増産を進めて7月以降は欠品も解消、上期で30万枚以上の販売を見込む。現在、全社的なブランド戦略の再構築やサプライチェーンマネジメント(供給網)改革を進めており、コンスタントに売れるこうした「スター品番」を増やしながら、販売状況に柔軟に対応した生産体制の整備、適切な在庫コントロールができるかがポイントになる。