ワコールホールディングス 塚本名誉会長が現場回りを4年ぶりに再開

2023/08/09 06:29 更新


塚本能交名誉会長

 ワコールホールディングス(HD)の塚本能交名誉会長が現場回りを再開する。今月の首都圏での若手セールス担当約30人との会合を皮切りに、各地への訪問をスタートする予定。得意先回りのほか、九州や東北、北海道などで現場のセールス担当、販売員であるビューティーアドバイザーなどと会合や懇親を行う考えだ。

 以前は、しばしば現場回りを行っていたが、コロナ禍や20年に就任した京都商工会議所会頭の重責などから休止、約4年ぶりの再開となる。昨年、ワコールHD代表取締役会長から名誉会長となり、経営の第一線から距離を置いていたが、この間も国内ワコール事業の回復ペースは遅れがち。特に主力ブランドである「ワコール」「ウイング」の伸び悩みが続く。危機感を強めるなか、打開策を探る試みの一つとして、第一線の声を聞くことを決めた。

 塚本氏は、「一枚一枚を丁寧に縫い丁寧に販売してきた積み重ねが今日のワコールを築いた。本社が号令を掛け、いくら高い計画を掲げても、一枚ずつ売っていくのは現場。目標達成は容易ではなく、元気を無くしがちなのが現状だ。本社と第一線に乖離(かいり)はないか、販売手法のどこに問題があるのか、まずは現場の声に耳を傾けたい」としている。

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