バーチャル接客 販促事業領域から相次ぎ参入

2019/04/10 06:28 更新


 CGアバターを遠隔操作し、店頭のディスプレーを通じて接客する〝バーチャル接客〟サービスに、販促事業領域からの参入が増えている。操作者は接客する分野によって様々なスキルを求められるため、そのキャスティングを支援する動きも強まっている。

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 チェーンストアMD事業のアドパック(東京)は、従来の売り場支援事業で培った店頭販促のノウハウを生かし、バーチャル対面販売サービス「バーチャルプロショッパー・ソリューション」を提供している。人材派遣企業が属するプロジェクト、バーチャルプロショッパーコミュニケーションズと協業し、「魂」と呼ばれる操作者にプロの販売経験がある人材をマッチングできる点が強みだ。今春中には、魂と企業のマッチングができるデジタルプラットフォームを開設する。魂を志望する人がアバターや技術を登録し、企業は求める条件に適した登録者を選ぶ。プラットフォームは、バーチャル販売員による商品紹介の動画を、スマートフォンや店頭モニターなどに配信する機能も備える。

 大日本印刷(DNP)は、VR(仮想現実)企画開発のエクシヴィ(東京)が開発したVR技術を活用し、接客システムのプロトタイプをリリースした。DNPは、これまで什器を含むPOP(店頭広告)やデジタルサイネージ、店頭への人材派遣などを手掛けており、バーチャル接客に加えて一貫した店頭販促ができる。また、クリエイター共創サービス「ファンズプロジェクト」との連携で、アバターとなる3Dモデルの制作や、操作者としての声優のキャスティングをサービスに組み込むことが可能だ。3月上旬に開催されたリテールテックジャパン2019へ出展した際は、女性声優が操作してバーチャル接客するデモンストレーションを実施した。

独自の透明スクリーンに投影(大日本印刷)


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