最近、料理をする際に生成AI(人工知能)を活用する機会が増えている。冷蔵庫に残っている材料を伝えると、いくつかのレシピを提案してくれる。味の好みやひと手間の工夫まで相談でき、料理初心者にとっては心強い存在だ。
指示通りに作れば失敗はなく、出来上がりもたいていはおいしい。ただ最近、自分で料理をしているはずなのに、どこか「作らされている」ような感覚を覚えるようになった。うまくできても、以前ほどの楽しさや感動がない。
こうした感覚は料理に限らず、そのうち洋服選びも同じようになるのではないか。自分で選んでいるつもりが、いつの間にか「選ばされている」。失敗は減るが、迷う時間や選ぶ楽しさも薄れていく。
AIは、基本的に失敗しない〝最適解らしきもの〟を提示してくる。ただ、それに従う消費が、本当に豊かなのかどうかは分からない。
これからは、ファッションの楽しさそのものが何なのかを問い直すと同時に、その楽しさをどう伝えていくのかという点で、企業の役割がより重要になっていくのではないだろうか。
(平)
