30年余り続いたデフレにより、日本の存在感は国際社会で確実に低下しました。かつて日本の半導体、デジタル家電、自動車産業が世界を席巻していたことを踏まえると、存在感の低下は著しいものがあります。
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この復活の一つの策として、地球温暖化の要因と言われるGHG(温室効果ガス)排出量削減に関する技術開発を強化し、クリーンエネルギー社会とグリーン価値創出マーケットを実現することが挙げられます。
欧州中心にカーボンニュートラル(CN)化への急速な移行が進みましたが、トランプ政権誕生で米国のCN化が後退し、欧州もより現実的な路線に修正しつつあります。一方、少資源の島国である日本は、多様なクリーンエネルギーの経済合理性のある価格での安定供給を目指すべきです。グリーン化への移行技術や革新的な新技術開発への注力によって、化石燃料への依存度が高い東南アジア諸国などグローバルサウスのCN化への貢献が可能となります。
さらに、非化石燃料エネルギーによるグリーン価値創出マーケットの実現に向けた国際ルール形成で主導的役割を果たすことも重要です。そのためには、産学官及び国民も含めた取り組みと、各産業界がサプライチェーンでDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用し、GHG排出量の可視化と連携を進めて「知と経験を生かしたバリューチェーン」への価値創造を図ることが肝要だと考えます。
(旭化成取締役会長 小堀秀毅)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。
