この間、商社の経営トップに多く取材した。人口減と少子高齢化を背景とした国内市場の縮小に対応し、輸出や海外販売を伸ばすことが大きな方向性だ。
三共生興とGSIクレオスは台湾法人を設立した。三共生興は自社ブランドに加え、他社ブランドの台湾進出を支援する事業を始める。八木通商はアジア販売を強めようとマレーシアにオフィスを構える。
グローバルなサプライチェーンの充実もテーマだ。田村駒はいったん撤退したミャンマーで製品調達が増えていることから再進出し、事務所を開設。ベトナム・ハノイでもオフィスを作った。
さらに踏み込み、工場の新設や出資も目立つ。グローバル企業の開拓には商社のポジションにとどまらず、メーカー機能を持つことが重要になっているためだ。投資の中心はベトナム。MNインターファッションは環境に配慮したファー調素材を作る工場を韓国、米国企業との合弁で立ち上げ、稼働を始める。寝装関連ではダナンの中国系工場に出資する予定。STXはベトナムで新工場を作り、既存工場から生産を移管し拡大を目指す。繊維リサイクルでは、丸紅が資本参加するサークがフランスで工場を建設する。
国内外問わず、市況は芳しくなく、中東での紛争も激化している。しかし、「従来と同じことをやっていては先細るだけ」。困難は覚悟の上でこぎ出す。
