自宅の最寄り駅で再開発が進んでいる。古くからの商業集積地なので、飲食店を中心にローカルな個店が多いが、開発予定地に指定されたエリアでは、地元に愛された中華料理店などの閉業が相次ぐ状況だ。
近隣で商売を営む店主たちと話すと、人流の増加に期待を寄せる一方「あそこのチャーハンが食べられなくなるとは」「ふらっと飲みに行ける店がどんどん減っている」と悲しむ声もあり、心中は複雑そうだ。
再開発の波が押し寄せるのは個店だけではない。牛丼やラーメンなどのチェーン店も多く存在し、これらが工事で閉店すると記者は自炊をしたくない日に路頭に迷う。
「新しいビルが建ったらあれが入るらしい」とうわさが聞こえてくるテナントも、観光客や休日に近隣商圏から買い物に来る客層へ向けた物ばかり。今後、自分の生活はどうなるのだろうと思うと、少し不安になってくる。
再開発は街の魅力を高め、消費を活性化させるためには確かに有効だ。ただ、テーマパークを作る感覚で進められては、そこで生活する人間は困ってしまう。
(夏)
