《視点》作る地か、売る地か

2024/12/11 06:23 更新


 インドネシアの繊維製造業が厳しい。コロナ沈静化後の需要急増の反動による在庫調整の影響を受けているほか、中国からの安価な製品の流入に歯止めがかからず価格競争にさらされているためだ。

 素材メーカーや染色加工業は各社、定番品の大量生産から、ほかにない差別化商品の開発・提案にかじを切り収益改善を図る。高付加価値商品が軌道に乗り、回復の兆しを見せる企業もある。

 小売りではユニクロが現地のニーズをつかんで店舗を増やしており、ニトリが今年第1号店を出した。一度撤退したSPA(製造小売業)も現地法人設立の準備を進めるなど、日系SPA進出の動きが目立つ。

 物価高や増税、金利の高止まりで消費低迷が起きているものの、人口増加を続けるインドネシアの市場規模、成長性、将来性は魅力だ。製造業にとっては人件費や雇用のしやすさがメリットになる。

 インドネシアを生産地として見るか、市場として見るか。業態で捉え方は違えど、日系企業にとって重要な国だ。

(坂)



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