《視点》「接客力」とは

2024/11/13 06:23 更新


 先日、リアル店舗でブラウスを買った。普段より高い価格で悩み、買うと決めてからは入荷を心待ちにして、電話で在庫も確認した。仕事と育児の合間を縫って訪れた店の客は記者のみだったが販売員の声かけは無くあっさりと試着し購入した。買うことができて満足だが、話し足りない気持ちが残った。

 同様の話題を、リアル店舗と販売員の価値に関する対談イベントの取材時に聞いた。2人の登壇者が、この日のためのジャケットやシャツの目的買いのとき、接客に満足できる販売員に出会うまで何店舗も回ったと話した。

 1人は「熱心にシャツを見ていたのに5店ほどのうち半分で声もかけられなかった。一緒に選んでくれた販売員から買った」。もう1人は「7万~8万円の安くない買い物なのに、この人から買いたいと思える販売員がなかなかいなかった」。

 物があふれる今、商品の差別化は販売員にしかできないと対談を締めた。「接客力の向上」などとよく耳にするが、いらっしゃいませとありがとうございましたがあり、ひと声かける基本的なことが変わらず大事なのではないか。

(衣)



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