《視点》19年度実績

2023/07/11 06:23 更新


 「もう19年度実績に戻ることはない」と、ある中堅量販店の衣料品担当者。昨年度からコロナ禍の影響が少なくなり、外出需要や様々なイベントの再開などで衣料品部門は回復してきた。しかし、コロナ前の19年度実績には届かないという。

 量販店の衣料品部門はバブル崩壊後からSPA(製造小売業)や専門店、ECの台頭もあり右肩下がり。売り場面積の削減や外部テナントの導入などで販売規模を縮小してきた。以前は全社売上高の20%ほどを占め、粗利益率も高く、業績に貢献していたが、今や1ケタ%台。

 大手の量販店なら販売規模も大きいのでPBなど独自商品も開発しやすいが、それでもイトーヨーカ堂の直営アパレル売り場の廃止に見られるように衣料品を諦める企業も出ている。

 中堅量販店でも独自商品の開発や専門店型の売り場作りに挑戦している。しかし、「ユニクロやジーユーに品質・価格で勝てない中で、それ以外の何かで、どう買ってもらうか」。衣食住全てを扱う利便性や幅広い顧客層といった利点を生かし、今年度は巻き返しを図りたいところだ。

(茂)



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