年末年始を含む最近のファッション消費は、比較的順調に回復しているようだ。都心などで久々に店頭がにぎわいを取り戻す場面も見られるようになった。
とはいえ、物価の上昇は顕著。有力インポートブランドの中には、23年も値上げを控えたものがあるようだ。
カジュアル業界は、ストーリーや理念、生み出してきた名品に憧れ、インポートブランドを求める人が絶えない。最近はユーチューブなどのSNSで、気になるブランド・商品を知る人も増えている。
気になれば実物を確かめたくなる。おのずとサイズやモデルが充実し、相談しやすいスタッフがいる店に足を運ぶだろう。ある店は、本当に悩んでいる人にだけ、「来シーズンから値上げが予定されている。いつか欲しいのなら今が一つのタイミング」とアドバイスをするという。買い上げ率が着実に上がっているそうだ。
こうした〝ここだけの話〟が聞けるのは、リアル店のだいご味の一つ。コロナ下で商品の見つけ方が変わり、ECも広がった。だからこそ実店舗ならではの提案やサービスもさらに進化・充実することを期待したい。
(畔)