《視点》会話で得るもの

2022/12/02 06:23 更新


 コロナ禍の行動制限は市場に大きな影響を与えた。今後もコロナウイルスの感染動向次第でどう転ぶかはわからないが、制限が緩和されている現在は対面重視に回帰する風潮が見られる。IT化、DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速し、様々な場面で効率化が進むが、「やっぱり直接話すのが一番」と対面するありがたさを感じる人が多いのだろう。

 事実、対面で得られる情報量はサイトのテキストや画像をはるかに上回る。直接触れる感情の介在が、伝えたいとする熱量を増幅させるからだ。この価値に気付き、EC顧客を実店舗に向かわせようとするOMO(オンラインとオフラインの融合)戦略を重視する企業が増えており、この流れはしばらく続くと思われる。

 ネットで発注した商品を店舗で受け取るなど、OMOの浸透はECと実店舗販売の境界線をぼやかし、接客がもたらす増収効果を浮かび上がらせる。会話の機会はファン創出の強い武器となり、好印象がブランド価値を引き上げる。成長するECがもたらした接客力の再認識なのかも知れない。

(樹)



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