《視点》Z世代の本音は?

2022/09/14 06:23 更新


 「Z世代は環境意識が高い」という話題がよく出る。SDGs(持続可能な開発目標)が主要な教育のテーマになっているだけに、上の世代と比べると知識の水準が上がっているのは当然といえば当然。かといって、知識があることと、本当に意識が高く、行動にも表れているかどうかは別問題。それは他の世代と同じで、人それぞれのよう。

 先日、繊維・ファッション業界を取り巻く環境・人権問題に向き合い活動している学生団体に話を聞かせてもらう機会があった。ある学生は「学校の友達同士で話すのは気が重い」「〝意識高い系〟に見られたくない」と漏らしていた。Z世代はあくまで知識の水準が高いのであって、意識が高い人はまだまだ少数派ということか。

 一方で環境・人権問題をある程度語れることは、「進学や就職活動を有利に進めるための手段になっている」という。SDGsをテーマに扱うサークルなどに参加することも少なくないそうだ。状況に応じて意識高い系を自己演出するということなのかもしれない。そう考えると、エシカル(倫理的)な消費行動をする人の割合も、実態はほかの世代とあまり大差ないのかも。

 とはいえ、企業をはじめ我々大人はサステイナブル(持続可能な)を語るのであれば、少数派でも意欲的な若者たちの声が埋もれてしまわぬように、ともに声を上げ、行動が伴う社会を一緒に目指すべきではないかと感じた。

(嗣)



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